大人女子のアニメタイム アニメーションの新ジャンル「大人女子のアニメタイム」第2弾、2013年3月NHK BSプレミアムにて新作3本放送決定!「夕餉(ゆうげ)」 声 中越典子 原作 山田詠美 3月10日(日)夜 10:50〜11:15 「人生ベストテン」 声 中谷美紀 原作 角田光代 3月17日(日)夜 10:50〜11:15 「どこかではないここ」 声 木村多江 原作 山本 文緒 3月24日(日)夜 10:50〜11:15

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大人女子のアニメタイム/川面を滑る風

2011番組パンフレット(PDF 1.4MB)

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あきらめないNYのママたち

「プロスペクト・パーク・ウエスト」というアメリカの小説(翻訳版)を読みました。ニューヨーク、ブルックリンのプロスペクト・パーク周辺の高級住宅街を舞台としたアラフォーママたちの話。「セックス・アンド・ザ・シティ」主演のサラ・ジェシカ・パーカーが「映像化権を獲得した話題作」という帯にひかれて購入。魚の骨がのどに詰まったようなイガイガ感とエグミが残る作品でしたが、過激さの中にも「この感覚わかるかも」という部分も多く興味深かったです。登場人物はセックスレスに悩む美人ライター、子役出身のハリウッド女優、元レズビアン、完璧な育児に取りつかれている女性。特に完璧育児ママの描写は印象的でした。子供に膝パッドをつけて公園で遊ばせ、オーガニック食品にこだわり、子供を希望校に入れるために、分不相応な高級マンションを買ったり、犯罪まがいのことをして女優のストーカーになったり…登場人物皆、それぞれ病んでいるけど、皆必死で「なりたい自分」になろうと格闘しています。はたから見れば、「なぜそこまで」と思うようなことばかりですが、もしかしたら気づかないうちに自分も?…とわが身を振ってしまうコワさがあります。皆孤独で、ジタバタしている…

作者のエイミー・ソーンさん自身も舞台となったプロスペクト・パーク周辺の住人。専業主婦が多いこのエリアで、なかなか仲間として認めてもらえず、友達ができないという内容をインタビューで話していました。もちろん小説はフィクションですが、彼女が住人なだけに「これホントにあったことかな」などと思いを巡らせるのも楽しいです。

ブルックリンのプロスペクト・パークは動物園や美術館もある自然の美しい公園だそうです。プロスペクトとは「成功・成就の可能性」という意味があります。自分のほしい人生をゲットしようと、あきらめない姿は日本の同年代の女性にも共通するかもしれません。でもやはりイガイガします。

大人女子のアニメタイムはNHKオンデマンドでご覧になれます。

http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010024562SA000/

意見、ご感想は以下までよろしくお願いします。

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大人女子的リアル女子会

今日は新婚の友人ご夫妻の新居に女子3人(+女児2人)で押しかけました。ホストはチーズフォンデュと具だくさんポテトサラダを用意をして下さり、ゲストは1品持ち寄り。スペインオムレツ、トッポギ、チキン焼き、干し柿入りクリームチーズ、サーモン…飲み物はスパークリングワイン、マッコリ、ビールと国際的(!)なテーブルとなりました。新婚ご夫妻はお互いに40代半ばで出会い、交際1年足らずで入籍!フリーランスのイラストレーターの彼女と、会社勤めの彼という、なかなか出会いにくいお2人が出会い、意気投合して結婚というのはすごい。付き合い始めた頃彼女が「大好きな道端の草や花の話でも、何でも気をつかわずに話せる」と言っていたのを思い出します。

新居は彼女の仕事スペースと彼の仕事&趣味コレクション部屋があり、お2人がそれぞれ、これまで生きてきた人生をシェアしている空間のようで、居心地よかったです。40を過ぎて、1人でいる自由も、さびしさもわかった時に結婚というのは、よいものだなぁと思いながら、食べて、飲んで、話して、また食べて…やはり女子会は楽しい~(新婚夫も今日は女子扱いで)。

「大人女子のアニメタイム」へのご意見、ご感想は以下までよろしくお願いします。

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ラストシーンから始まる?

話題の映画「ソーシャル・ネットワーク」を見ました。SNSの「Facebook」の創設者マーク・ザッカーバーグ(現在26才の億万長者)を描き、ゴールデングローブ賞で作品、監督、脚本、音楽の4冠を達成したばかりです。ほんの数年前はハーバードのさえないプログラムオタクだった青年が、いかにしてFacebookを生み出し、億万長者になっていったかをフィクションも交えて描いています。ただ…さわやかなサクセス・ストーリーではなく、裏切りや訴訟含みのかなりザワザワした質感です。セリフや展開に疾走感があり、まるで彼の人生を追体験している感覚がありました(実際Facebookが出てき始めた頃が記憶に新しいだけに)。何よりラストシーンが秀逸でした。彼の原点と頂点とこれからについて、その1カットの中で問いかけているような、シンプルだけど意味深いカットでした。

番組を制作している時は様々な逡巡や破たんに襲われ、煮詰まることがよくあります。そんな時、ふとラストシーンが思いついたり、シメのセリフ、ナレーションの一言が思いつくと、それまでのグダグダが解消され、全体のイメージがクリアに見えてくることがあります。重い霧が一気に晴れたような…。「ソーシャル・ネットワーク」のラストシーンを思いついた時、監督あるいは脚本家は「やった!」と思ったのでは?インパクトは強かったので、見終わった後、本物のマーク・ザッカーバーグをググってしまいました。映画とシンクロしています。

さて、キュリオスコープで制作した「大人女子のアニメタイム」。NHKでは常時メールやファックス、お手紙で視聴者の方のご意見を受け付けています。ご意見、ご感想がありましたら是非お寄せ下さい。

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月と女子

今夜は満月です。東京近辺では真ん丸の月が雲の間から顔をのぞかせています。

「大人女子のアニメタイム―川面を滑る風」が収録されている唯川恵さんの短編集のタイトルが「病む月」(集英社文庫)なので今宵は月つながりで。

ローマ神話では月の女神はルナ(Luna)と言い、ルナから派生したルナチック(Lunatic)という言葉には「狂気じみた」という意味があります。その昔、狂気は月の満ち欠けによってもたらされると考えられていたからとか…。スペイン語で「気まぐれ」を意味するTener Lunasという言葉にもルナが使われています。「気まぐれ」って言葉は何となく女性に合うような気がします。「気まぐれな男」って表現は何だかしっくりこないような…

「大人女子のアニメタイム―川面を滑る風」をご覧になった男性視聴者から「主人公の乃里子の行動が理解できない!勝手過ぎる!」という感想を沢山いただきました。でもそう言いながら、「女とはそういうものなのか」と恐ろしがったり…逆に女性の視聴者からは「乃里子の気持ちを考えると切なくなった」とか「感情移入した」という感想を多く聞きました。男性、女性の対比が非常に興味深いです。月のように常に形を変え、くっきり見えたり、ぼやけてたり、全く見えなかったりするのが女?いずれにしても、理屈で説明できないことが、一番リアルだったりすることも…?

再び「大人女子のアニメタイム」をつくる機会がありましたら、言葉では説明できないこと、目にははっきり見えないことを、女の物語を通して映像化していきたいと思っています。

アンケート期間が間もなく終わります。ぜひ以下にご感想、ご意見お寄せいただければ幸いです。よろしくお願いします!

http://www.nhk.or.jp/tamago/program/20110107_doc.html

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