2013.02.11 Mon 02:04 |制作日誌
今回の「大人女子のアニメタイム」の3作品の原作は、山田詠美さん、角田光代さん、山本文緒さんの作品。皆さん直木賞作家であり、人気、実力共にトップの作家さんたちです。すぐれた短編小説の魅力は、何回読んでも新しい発見があったり、まるで自分の気持ちを言い当ててるような文章に出会えたりすることだと思います。その文章にまた会いたいがために、本を開くなんてことも。今回の3作品が収められている短編集はそういう言葉にあふれています。 「大人女子のアニメタイム」では、各原作の文体やリズムを最大限生かして脚本にし、主人公の語りで展開する構成になっています。ですので、アニメーション映像でドラマを楽しみつつ、短編小説を読んでいるようなとても個人的な時間を過ごせる番組を目指しています。この番組の隠しテーマは「主人公はもう一人のあなたかもしれない」。きっと、繰り返し見たくなる大好きな場面と大好きな言葉に出会えるはずです!
3月の日曜夜、3週連続NHK BSプレミアムにて放送!22時50~23時15分
「夕餉」 山田詠美 『風味絶佳』(文春文庫)所収 3月10日
「人生ベストテン」 角田光代『人生ベストテン』(講談社文庫)所収 3月17日
「どこかではないここ」 山本文緒 『プラナリア』(文春文庫)所収 3月24日
第1作「川面を滑る風」唯川恵『病む月』(集英社文庫)所収
2011年1月放送済
curiouscope
2013.02.05 Tue 23:54 |制作日誌
キュリオスコープの大人女子です。
制作日誌を随時アップすると宣言して2か月近く・・・
「大人女子のアニメタイム」第2弾放送まで約1か月、マメな更新を目指します!
3月の日曜夜(22時50分~23時15分)、3週にわたってNHK BSプレミアムで放送されます。個性的な3作品が仕上がりつつあります。
20代後半から40代の女性が主人公という、アニメーションとしてはこれまでになかったジャンルかと思いますが、これが実は相性バッチリです。どの作品にも女性が感情移入してしまう言葉や場面がいっぱいです。
そしてたくさんの男性にも見ていただきたい!物語や映像をお楽しみいただくのはもちろん、「女ってこんなこと考えてんのかっ!」と思っていただくのもよいかと…思ったりしています。
3月10日(日) 「夕餉(ゆうげ)」 主演 中越典子
原作 山田詠美
脚本家 金春智子
声の出演 浪川大輔
アニメーション制作 プロダクション リード
アニメーション監督 高橋 亨
3月17日(日) 「人生ベストテン」 主演 中谷美紀
原作 角田光代
脚本家 吉田玲子
声の出演 神谷浩史
アニメーション制作 ボンズ
アニメーション監督 三浦 陽
3月24日(日)放送 「どこかではないここ」 主演 木村多江
原作 山本文緒
脚本家 今井雅子
声の出演 福山 潤
アニメーション制作 ワオワールド
アニメーション監督 村上匡宏
curiouscope
2011.02.17 Thu 02:00 |制作日誌
最近、母親と娘をテーマにした作品を2つ読みました。1つは昨年亡くなられた佐野洋子さんが実の母親とのことを描いた「シズコさん」、もう1つは角田光代さんの短編集「マザコン」に収められている「パセリと温泉」という小説。どちらも、強烈で大嫌いだった母親が呆けて、つきものが落ちたように穏やかな人になってしまった状況に接した娘の心情が描かれています。佐野さんは母親の手を触ったこともなく、自分は愛されていないと思っていたそうです。でも呆けた母親が、佐野さんに暖かい気持ちを向けるようになったことで、嫌悪感が「氷山にお湯をぶっかけたようにとけ」、許し、許された感覚を得たことが、ほとばしるような文章で描かれています。一方、角田さんの小説の主人公は、いきなりいい人になってしまった母親にくすぶるような怒りを感じます。ネガティブ思考の母親の影響を受けた自分が置いてけけぼりにされたような怒り…。どちらの感覚も実感を伴って伝わってきます。実は私の母親も認知が進み、私が知る母とはちょっと違う人になったように感じることがあります。その変化に対して、佐野さんや角田さんが書いているように感情の焦点を合わせてはいませんが、この2つの作品を読んだことで、来たるべき状況に対して心構えのようなものが少しできたように感じます。誰もが通る道なんだなぁと。(PS「シズコさん」のステキな装丁、行方不明、残念…)
大人女子のアニメタイムはNHKオンデマンドでご覧になれます。
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010024562SA000/
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curiouscope