あきらめないNYのママたち
「プロスペクト・パーク・ウエスト」というアメリカの小説(翻訳版)を読みました。ニューヨーク、ブルックリンのプロスペクト・パーク周辺の高級住宅街を舞台としたアラフォーママたちの話。「セックス・アンド・ザ・シティ」主演のサラ・ジェシカ・パーカーが「映像化権を獲得した話題作」という帯にひかれて購入。魚の骨がのどに詰まったようなイガイガ感とエグミが残る作品でしたが、過激さの中にも「この感覚わかるかも」という部分も多く興味深かったです。登場人物はセックスレスに悩む美人ライター、子役出身のハリウッド女優、元レズビアン、完璧な育児に取りつかれている女性。特に完璧育児ママの描写は印象的でした。子供に膝パッドをつけて公園で遊ばせ、オーガニック食品にこだわり、子供を希望校に入れるために、分不相応な高級マンションを買ったり、犯罪まがいのことをして女優のストーカーになったり…登場人物皆、それぞれ病んでいるけど、皆必死で「なりたい自分」になろうと格闘しています。はたから見れば、「なぜそこまで」と思うようなことばかりですが、もしかしたら気づかないうちに自分も?…とわが身を振ってしまうコワさがあります。皆孤独で、ジタバタしている…
作者のエイミー・ソーンさん自身も舞台となったプロスペクト・パーク周辺の住人。専業主婦が多いこのエリアで、なかなか仲間として認めてもらえず、友達ができないという内容をインタビューで話していました。もちろん小説はフィクションですが、彼女が住人なだけに「これホントにあったことかな」などと思いを巡らせるのも楽しいです。
ブルックリンのプロスペクト・パークは動物園や美術館もある自然の美しい公園だそうです。プロスペクトとは「成功・成就の可能性」という意味があります。自分のほしい人生をゲットしようと、あきらめない姿は日本の同年代の女性にも共通するかもしれません。でもやはりイガイガします。
大人女子のアニメタイムはNHKオンデマンドでご覧になれます。
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010024562SA000/
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