過去を隠す女
テレビで映画「ゼロの焦点」を見ました。広末涼子さん、中谷美紀さん、木村多江さん、それぞれ、弱そうで芯の強い女、強くもろい女、優しく悲しい女を熱演していました。戦後の混乱期の昭和30年代、皆それぞれ夢を実現させようと一生懸命生きていただけなのに…松本清張さんの戦後ミステリーは本当に割り切れない悲しさとやりきれなさが描かれていて…この気持ちどうすればいいんだぁーという余韻が残ります。登場人物は皆フィクションなのはわかりつつ、あの時代、夢をかなえられず悲劇的な人生を送ってしまった人たちの分まで、生きないと…なんて感じてしまったりします。中谷美紀さんが演じた地元の名士夫人は大迫力でした。わなわな震える唇、笑顔の中の刺すような目つき、狂気に走る表情…自分の過去を隠すため、自分も周囲も破壊してしまう…。引き込まれました。
「大人女子のアニメタイム‐川面を滑る風」の主人公乃里子も人に言えない過去を持つ女。彼女もその過去故、精神のバランスを崩し、ある衝動に走りますが…この物語も「ゼロの焦点」と同じく金沢が舞台です。そして、「川面を滑る風」の方言指導を担当して下さった羽野敦子さんは、「ゼロの焦点」でも方言指導をされていました。色々共通項があって、うれしい…
大人女子のアニメタイムはNHKオンデマンドでご覧になれます。
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010024562SA000/
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