病む大人を読む
週末、勢いづいて2冊の本を読みました。1冊は「大人女子のアニメタイム‐川面を滑る風」の原作者の唯川恵さんの新作「テティスの逆鱗」。美容整形にはまる女たちが緩やかに狂気に陥っていく過程を恐ろしいほどリアルに描いています。もう1冊は故鴨志田穣さんの「酔いがさめたら、うちに帰ろう」、今映画も公開中です。鴨志田さん=鴨ちゃんは、漫画家の西原理恵子さんの元夫で(最後は一緒に暮らしましたが)、20年来西原理恵子さんの大ファンの私としては、鴨ちゃんは知人のような気がしてしまうのですが…こちらはアルコール依存症の闘病記を、閉鎖病棟の日々とそこで出会った面々のことを、ユーモラスかつ痛いほど切なく描いています。全く異なるタイプの作品ですが、美容整形にしても、アルコールにしても、各登場人物の心の満たされない部分、不安な部分に緩やかに入ってきたものが、しまいにはその人を支配してしまうという恐ろしさを感じました。心の隙間に入り込んでくるものは他にも沢山あります。それに支配されずうまく付き合うにはどうすればいいのか(アルコールだって、うまく付き合えば友にもなり得ますし)…。
「大人女子のアニメタイム‐川面を滑る風」の主人公、乃里子も心の空洞を埋めるため、自分の力では抑えきれない発作的な行動を繰り返します。彼女が救われるためにはどうすればいいのか…「見た後、ずっと考えてしまった」という感想を多くいただきました。
NHKオンデマンドで1回105円でご覧になれます。
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010024223SC000/index.html
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