静かな渋谷
渋谷との深いつきあいは高校以来、四半世紀以上に及びます。そのきらめき、猥雑さ、目にも耳にもいっぱいいっぱいの過剰な色と音…どれも長く馴染んできたものです。こんな渋谷を見たのは初めてです。四方八方から聞こえてくる音楽やアナウンスが消えました。ネオンや大型ビジョンからも色が消えました(写真の上左右には普段大音量でミュージックビデオや宣伝が流れています)。居酒屋の客引きのお兄さんたちも、通行人に声はかけず、静かにメニューを持っているだけ。多くのお店も閉まっていて、女子高生の華やぎもなくなりました。それでも人が多い渋谷です。それだけに足音や人の気配が強く感じられ、周囲の見知らぬ人たちと一種の連帯感のようなものを感じました。その静けさ、色のなさが今、日本が直面している悲しみの大きさを表している…。被災地が早く暖かくなりますように。
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