唯川恵さん「病む月」
新年明けましておめでとうございます。今年最初にお伝えするのは、「大人女子のアニメタイム」の原作「川面を滑る風」が収載されている集英社文庫の短編集「病む月」の帯のこと。新しく「アニメ化決定」の文字が入りました!
「病む月」は、唯川恵さんのすばらしい短編集です。すべての作品が唯川さんの出身地である金沢が舞台。どの物語にも「幸せ」をもとめて葛藤する女の姿が描かれていて、主人公の敵役にさえ自身を投影してしまう…そんな10編の物語が納められています。中でも今回アニメ化する「川面を滑る風」は、何度も繰り返し読みたくなる深い作品。女性の幸福、不幸、弱さ、強さ、割り切れなさ…読む度に様々な感情をかきたてられる小説です。
唯川恵さん。お目にかかったのは、今回の番組が企画段階だった昨年7月のことでした。大人の女性のための物語をアニメ化して番組にしたいという、海のものとも山のものともつかぬ私たちの話に熱心に耳を傾け、大切な原作を託してくださいました。それが企画を実際の番組に押しあげる大きな力となりました。この番組のパンフレットに頂いた「ささやかでいい、懸命に生きる女性の方々に何か少しでも伝えられることがあれば–」という唯川さんのコメントをいま改めて噛みしめて、番組の仕上げに臨みたいと思います。