90年代の青春
小説を映像化する際、時代設定を決めることが重要なポイントの1つです。登場人物の服装、持ち物、風景等も時代によって異なるからです。今回の「大人女子のアニメタイム」の原作となった唯川恵さんの「川面を滑る風」は90年代後半に初出ですが、背景のことや、作品が普遍的な物語であることなどを考慮し、現代の物語に置き換えました。そこから様々なリサーチが始まりました。
逆算すると主人公、乃里子の高校時代は90年代前半。その頃のティーン誌の資料等を集めました。女子高生が普通に口紅やマニキュアを持っていたり、ブランド品のデザインをまねた三角リュックやキュートなショートヘアが流行ってたり…。好きな小物で部屋を飾り、憧れのハリウッドのスターの情報を集めたり…。部屋にはMYラジカセが必需品。都会と地方都市との情報格差も少なくなった時代です。だからこそ、どこで生まれ育っても、一歩踏み出せば、今とは違う「新しい自分」になれると思えた時代かもしれません。主人公の乃里子も生まれ故郷の金沢を出て、欲しかったものはすべて手に入れたはず…なのに…
今晩深夜26時45分(11日午前2時45分)から再放送があります。是非乃里子の青春時代にも注目してご覧下さい!