大人女子のアニメタイム アニメーションの新ジャンル「大人女子のアニメタイム」第2弾、2013年3月NHK BSプレミアムにて新作3本放送決定!「夕餉(ゆうげ)」 声 中越典子 原作 山田詠美 3月10日(日)夜 10:50〜11:15 「人生ベストテン」 声 中谷美紀 原作 角田光代 3月17日(日)夜 10:50〜11:15 「どこかではないここ」 声 木村多江 原作 山本 文緒 3月24日(日)夜 10:50〜11:15

New!! 番組パンフレット(PDF 1.6MB) 予告 Trailers English

大人女子のアニメタイム/川面を滑る風

2011番組パンフレット(PDF 1.4MB)

Tag:アニメ

和田勉さん「天城越え」

今月80歳でお亡くなりになった元NHKの看板演出家、和田勉さんの「天城越え」を見ました。和田勉さんは「テレビはアップだ」という演出論の持ち主だったそうで、それだけにアップ映像の迫力は鬼気迫るものがありました。大正時代のある日、天城山を超えようとし、偶然出会ってしまった少年、娼婦、土工3人の間で起きた悲劇を描いたドラマです。1分以上あると思われる、セリフのない、表情だけのアップも沢山あります。そこに少年(鶴見 辰吾さん)の娼婦に対する淡い恋慕や、土工に対してふつふつと沸いてくる怒り、娼婦を演じた大谷直子さんのそそるような色っぽさと力強さ、土工を演じた佐藤慶さんの深く暗い絶望の表情…など画面にくぎ付けになりました。雄弁なアップばかりです。テレビ番組をつくる時、退屈にならないよう、カットを短く、テンポよく、情報量を多く-となりがちですが、アップが持つ力というのを改めて見せつけられました。30年以上前につくられたドラマですが、今見てもとても新鮮です。

「大人女子のアニメタイム‐川面を滑る風」でも、アップを多用しています。ゆっくりと、主人公の物語に入っていけるような映像づくりを目指しました。

NHKのオンデマンドでご覧になれます。

http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010024562SA000/

curiouscope

本屋さんの至福

好きな場所の1つが本屋さんです。ふつうの本屋さんも、昔ながらの古本屋さんも、ブックオフも好きです。最近は本屋さんのポップが充実していているので、それを見ながら、パラパラと色んな本を見たり、本屋さんごとの個性を楽しむのも好きです。今日は久しぶりに吉祥寺のブックス・ルーエという書店でに2時間ほどステイ。吉祥寺は漫画家やクリエーター、アニメ関係者が多く住む街で、それを反映してアート系の本や漫画やイラストの入門書や各種の漫画、ムック本が充実していてわくわくします。今日の収穫は写真の3冊。「聖☆おにいさん」は11歳の娘へのおみやげ。「主に泣いています」は前から気になっていたのですが、遅ればせながらゲット。「異常心理入門」は表紙買い。

ネットで自分の関心の赴くままに本を買うのも便利でいいのですが、本屋さんで表紙を見て、思わぬ本を手にする楽しみは格別です。よいテレビ番組もそんな本屋さんのようでありたい!

「大人女子のアニメタイム」へのご意見、ご感想は以下までよろしくお願いします。

http://www.nhk.or.jp/css

curiouscope

割り切れないもの

「大人女子のアニメタイム‐川面を滑る風」をご覧いただいた方から「見た後、心の整理がつかず、寝付けなかった」「この後どうなるのか色々考えてしまった」「切ない」などのご感想をいただきました。物語の世界を旅するというのはそういう気持ちを抱くことではないかと改めて感じました。

考えて見れば子供の頃は「割切れる」世界にいると思います。「人を叩いてはいけない」「ウソをついてはいけない」。子供向けの本やテレビも「勧善懲悪」的な白黒はっきりしたものが多いですし。でも大人になるにつれて「割切れないこと」が多くなる…「川面を滑る風」の中で、主人公の乃里子は、久夫の美しい手を「嫌悪にも似た思い」で眺め、「意思が崩れていくような敗北感」を抱きます。好きなのか、嫌いなのか?なぜ屈服せず抗うのか・・・?日常生活では割切れないことだらけ。「愛が覚めたのになぜ結婚生活を続けるのはなぜ?」というのは典型かも?「大人女子のアニメタイム」では、リアルに今を生きる大人の女性達の「割切れない」心情に訴えるような作品に挑戦していきたいと願っています。

番組をご覧になった方々、是非以下「番組たまご」のホームページからご意見お寄せいただければ幸いです。以下の頁の右上からアンケート頁にいけます。

http://www.nhk.or.jp/tamago/program/20110107_doc.html

よろしくお願いいたします!!

※本サイトの画像の無断転用・無断転載をお断りいたします。

curiouscope

90年代の青春

小説を映像化する際、時代設定を決めることが重要なポイントの1つです。登場人物の服装、持ち物、風景等も時代によって異なるからです。今回の「大人女子のアニメタイム」の原作となった唯川恵さんの「川面を滑る風」は90年代後半に初出ですが、背景のことや、作品が普遍的な物語であることなどを考慮し、現代の物語に置き換えました。そこから様々なリサーチが始まりました。

逆算すると主人公、乃里子の高校時代は90年代前半。その頃のティーン誌の資料等を集めました。女子高生が普通に口紅やマニキュアを持っていたり、ブランド品のデザインをまねた三角リュックやキュートなショートヘアが流行ってたり…。好きな小物で部屋を飾り、憧れのハリウッドのスターの情報を集めたり…。部屋にはMYラジカセが必需品。都会と地方都市との情報格差も少なくなった時代です。だからこそ、どこで生まれ育っても、一歩踏み出せば、今とは違う「新しい自分」になれると思えた時代かもしれません。主人公の乃里子も生まれ故郷の金沢を出て、欲しかったものはすべて手に入れたはず…なのに…

今晩深夜26時45分(11日午前2時45分)から再放送があります。是非乃里子の青春時代にも注目してご覧下さい!

curiouscope